【5冊目】映画上映中!デビュー作にしてミステリー5冠を達成した「屍人荘の殺人」(今村昌弘)

いや~、ずっと期待していた映画が12月13日から全国公開されました!

その原作になったのが「鮎川哲也賞」や「このミステリーがすごい!」など5冠をデビュー作にして達成した「 屍人荘の殺人」です。

映画もさっそく見てきましたが、原作の雰囲気や味もしっかり生かしつつ、コミカルな演出も盛り込んだ作品になっていたと思います。映画化にあたりカットされた設定や省略された描写もありましたが、映画だけ見ても楽しめて原作を知っている人も入り込める作品だったのではないでしょうか?

原作を読み込んで、何度か予告編も見た僕とすればこの映画を一番楽しむコツは・・・

予告編を見る → 映画を見る → 小説を読む

を最もおススメします!何せ予告編ではある重要な要素が隠されているので、映画本編でけっこう驚くからです。

実際に、映画を隣で見ていた学生さんたちは予告編だけを見ていたようでかなりびっくりされていました。

☆こんな方におススメ☆

*あっと驚く展開のミステリーが好きな方。

*石川県にお住まいの方(浜辺美波&中田ヤスタカ推し)

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あらすじ

神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は同じ大学に通うもう一人の名探偵、剣崎比留子と共に曰くつきの映研の夏合宿に参加するため、ペンション紫湛荘を訪れる。初日の夜、彼らは想像だになかった事態に見舞われ荘内に籠城を余儀なくされるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。たった一時間半で世界は一変した。

Amazonより

神紅大学のホームズと呼ばれる明智(中村倫也・以下カッコ内は映画の演者)とワトソンと呼ばれる葉村(神木隆之介)は、同じ大学の剣崎(浜辺美波)とともに、映研の夏合宿の数合わせとしてペンションを訪れます。

ところが到着した日の夜、近くのロックフェス会場で大事件が発生。ペンションに閉じ込められ、極限状態に追い込まれます。しかし悲劇は続き、参加者の1人が密室で惨殺死体となって発見されます。
ただこれは連続殺人事件とさらなる悲劇への幕開けでした。

果たして参加者たちは事件の謎を解き、この極限状態から逃げ切れるのでしょうか?

作者が巧妙に用意した舞台と事件が秀逸

原作を読んで一番感じたのが「作者が巧妙に舞台設定と事件設定を練りこんでいること」でした。

事件の根幹となる極限状態(ぜひ原作か映画で確認してください)を殺人事件のトリックや伏線に生かし、謎がチープにならないように練りこまれていると感じました。

謎解き部分もフーダニット(犯人は誰か)、ホワイダニット(動機)に加えてハウダニット(犯行方法や手段)の要素が強調されていたことで、ミステリーとしてもかなり楽しめるものになっていたと思います。

読みやすさを支える疾走感&ミステリーとしての哀愁がある

本作は文庫本だと400ページ弱の長編小説ですが、その長さを感じさせないスリリングな展開と疾走感でかなり読みやすいと思いました。
ほどよくコミカルな要素も盛り込まれているので、飽きることもなく一気に読み進めることができました。

かと言って、ミステリーとしての哀愁や寂しさ、やり切れなさはしっかりと残っています。
「もしかしたら自分も死んでしまうかもしれない」という極限状態の中、犯人が犯行に及んだ悲しい理由、犯行方法は殺した被害者への憎悪の深さを表すものでした。

もしかしたら作者の今村先生はこの犯人の憎悪を表現するために、このような舞台や犯行方法を思いついたのかもしれないですね。

極限状態に陥るにいたる、ある大事件は使いどころと描き方を間違えると出オチ感満載で全体をチープなものにしてしまいそうですが、それをしっかりと生かしきり、ミステリーに昇華させたというところに今村先生の凄みがあるように思います。

映画と合わせてぜひ原作もおススメです!

ここまで書いてきて、物語の根幹のネタバレ要素には全く触れていないので分かりにくかったとおもいます。すみません( ;∀;)

もし映画や原作を見た後に読んでいただけて、少しでも伝われば嬉しいのですが・・・

原作も映画もまだこれからという方はぜひ

予告編を見る → 映画を見る → 小説を読む

の流れで楽しんでいただけると最高に楽しめると思います。

映画はこちら

今村先生と言えば、最新作の方も大人気なので屍人荘の殺人の次はいかがでしょうか?

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